2020年01月11日

啄木と「錆びたナイフ」

音痴だから音楽については語らない。毎回カラオケ会に出ている人が、音楽について語れば上手い人と思われるだろう。そして私の歌を聴きたくてカラオケ会に来るかもしれない。それが恐ろしいから語れない。黙っていて腹に溜まった、ホンの一部をここに書き出している。こっそりと屁をするようにねヾ(^-^;) ゴメン

音痴のオッサンが「錆びたナイフ」を歌うシーンが一種のギャグになっている時代があった。オッサンが抑揚のないのっぺりした感じで歌うのが何となく可笑しいので笑ってしまった。考えてみればよそ事ではない、そのオッサンの30年後の姿こそ私なのだ。「錆びたナイフ」は易しいようで難しい歌だ。

この歌は意外に奥が深いから大好きだ。第一に映画が好かった。若さ溢れる石原裕次郎と小林旭の共演。しかも原作は兄の石原慎太郎が、裕次郎の主演を前提に書いたものである。従って裕次郎の魅力がたっぷり味わえる映画になっている。

おまけに、裕次郎が歌った主題歌「錆びたナイフ」(作詞:萩原四朗、作曲:上原賢六)は、184万枚を売り上げる大ヒットとなってしまった。しかも歌詞は意外なことに、石川啄木の短歌を再構成したものと言われている。

ここにホンの一部分を紹介。
石原裕次郎「錆びたナイフ」では、
砂山の 砂を 指で掘ってたら まっかに錆びた 
ジャックナイフが 出て来たよ
となっている。

一方、石川啄木の「一握の砂」では、
いたく錆びし ピストル出でぬ 砂山の 砂を指もて 掘りてありしに
と歌っている。

これに続く十首の短歌が一連のドラマを構成している。作詞者が錆びたピストルを、錆びたナイフと言い換えたそうだ。

今考えると錆びたピストルはリアリティ欠けるかも知れないが、明治時代は現代ほど銃の管理が厳しいとも思えない。終戦直後も警察の目が届かない感じがあった。私も見知らぬ男に、珍しいものを見せてやると言われて、拳銃を見せられた記憶がある。念のため申し添えるが、その時代に精巧なモデルガンなどない。

B級映画と思われがちな日活無国籍アクションだが、「錆びたナイフ」はとても好かったし。歌詞も石川啄木の影響を受けてると知って興味津々、その主題歌をますます好きになってしまった。
posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | あの歌この歌
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