2018年12月22日

霧笛が俺を呼んでいる

カラオケ会で「霧笛が俺を呼んでいる(赤木圭一郎)」を歌った。解説とか話したいことは山ほどあるけれど、音痴は音楽を語れない。日本語が読めない外国人が、源氏物語を語るような感じかな。それと幼児が哲学を語る感じかも知れない。

話すと書くとでは大違い。口で語られれば嫌でも聞こえる。書いたものは嫌なら読まなくてすむ。選択権は完全に受け手にある。そんなつもりで書いているが、幾らかの人が読んでくれるから有難い。お陰でモチベーションを維持できる。

下手な洋楽を歌いたがるのは洋画が好きだったから。昔「第三の男」と言う英国映画を観た。10年くらい後に、それを真似したような邦画が上映された。「霧笛が俺を呼んでいる」である。最初は何じゃこれと思い。次第に「第三の男」のパクリじゃないかと感じてきた。最後には凄く面白い、または観たいと思った。 以下、「第三」と「霧笛」に短縮する。

「第三」のホリー(ジョゼフ・コットン )は売れない作家、「霧笛」の杉(赤木圭一郎)は航海士との違いはある。ホリーも杉も久しぶりに友人に会いに行こうとすると死んでいる。いずれも謎の死である。二本の映画は、このような滅多にない状況で始まる。

第三のホリーの旧友、ハリー(オーソン・ウェルズ)は粗悪ペニシリンの売り捌きで儲けているが自動車事故で死亡。杉の旧友、浜崎 (葉山良二)は麻薬の売人だが自殺した。両方とも、かっての親友が悪の道に染まり謎の死を遂げるという筋書きだ。しかし、事実は両人とも当局の追及を逃れるため死んだふりしていたと言うのだ。違う映画なのに全く同じ筋書きとはやりすぎだ。

死んだふりの悪玉にも、それぞれに恋人がいる。ギャングは何故か女にもてる。ハリーの恋人は芯の強いアンナ(アリダ・ヴァリ)、そして浜崎の恋人は優しい美也子(芦川いづみ)。ホリーはアンナに、杉は美也子に出会い、恋心を抱くところまで一緒である。霧笛はまるで第三のコピーみたいだ。

ハリーの所属する粗悪ペニシリン販売組織は英軍憲兵のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)が追及し、浜崎の所属する麻薬組織の捜査は森本刑事(西村晃)の担当。「ホリー、アンナ、キャロウェイ」「杉、美也子、森本」の二つのグループが真相究明に当たるところまで、二本の映画はそっくりだ。そこまでやっていいのなら、私にも誰かの真似して書きたいものがある。それは「臼淵磐物語」、知る人ぞ知る人物である。

他にも似たところはいろいろある。二本の映画はそっくりだが、観た印象はまるで違う。骨だけ同じで外見が全く違う二人の人間を並べたようなものだ。だから映画は面白い。ところで芦川いづみと吉永小百合は、特に光っていた。このような美しい女性が綺麗な言葉で語るシーンはもう観られないかも知れない。

映画「霧笛が俺を呼んでいる」を観たのは二十歳頃だ。何をやっても上手く行かず職を転々としていた時期である。気分転換には日活の無国籍アクションが一番だった。

書くために二本の映画をレンタルビデオで改めて鑑賞し、そしてカラオケ会で歌った。思い出のシーンをバックに歌うのも楽しい。若者の私がそのまま化石となって歌った。音痴も年も忘れて3分間の夢を楽しむ。それを許してもらえることが嬉しい。

毎週土曜更新、またの訪問をお待ちしています!
タグ:SSN
posted by 中波三郎 at 00:00| Comment(0) | あの歌この歌
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: