米大リーグ、マリナーズのイチロウ選手はこう言った「自分が夢中になれるものが見つかれば、立ちはだかる壁にも向かっていける」。なるほど、私も同じ思いだ。
「夢中になってあれだけかい?」ちょっと待った!それは言わないルール。壁の厚さに変わりはない。イチローが目指したのは世界一の野球選手、私が目指すのは普通に歌える人。彼は引退したが私は現在進行中である。
大きな壁に向かうには自分の立ち位置を把握しなければならない。イチローは走攻守に優れた選手、一方私は真面目なオンチ。カラオケ会では一生懸命歌う。そうすれば失笑を誘うことはあっても叱られることはない。歌は穏やかな気持ちで歌わなければ楽しくない。楽しくなければ続けられない。継続は力である。
歴史をひも解くと、人は成功体験にしがみついて国を滅ぼし、会社を倒産させ、自分の人生を破滅に導いた。私も細やかながら成功体験はある。余りにも平凡でワザワザ書くようなことではないが、これしかないないので何時も書いている。
歌と踊りとは関係のない仕事だが、どの職場でも仕事の出来る人は歌とスポーツが得意だった。音痴の私は運動音痴でもあった。そのため仕事も苦手だからクソ真面目に働いた。お陰で「仕事が出来ない人」というレッテルも張られずに、無事に定年退職まで勤め上げた。これが唯一の成功体験である。
「柳の下にいつも泥鰌はいない」とも言われている。成功体験に足を引っ張られ失敗することもある。一生懸命もいいけれど、その場その場で楽しむことも必要だ。カラオケ会を舞台と考え役を演じて楽しんでいる。そうは見えないかも知れないけどね。
舞台では主役、脇役とかいろいろあるけれど、私が選んだ役は真面目なオンチ役である。これなら魅力的でなくても、稽古をしなくても簡単に出来る。気軽なのがなによりだ。
ところでイチローはインタビューでこう言った「監督は絶対無理です。これには絶対が付きます。人望がない」。この発言といい、冒頭の発言といい、何てイチローと私はよく似ているのだろう。
だが待てよ。ひょっとして似ているのは「立ちはだかる壁」があることと「人望がない」ことだけかも知れない。イチローは苦労はしていない苦心はしているとも言っている。同感である。
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